2時間後、A家に伯父が到着したのだが、明らかに様子が変だ。顔は蒼白、息を
切らしながら目が泳いでいたという。
変に思ったA父がどうしたのか伯父に聞いてみた。
伯父「…や、ヤバイ。どうしよう。え!?何よ?…何で」
A父「わけが分からん事言うな!落ちついて話さんか」
伯父「…お兄、変なもん見てもうたわ。お兄と昔、見た奴・・・」
その瞬間A父の顔付きが変わり「…言うな!おい!A!お前部屋に戻っとけ」
Aはそう言われ、部屋に戻ろうとしたが、話を盗み聞きしたらしい。
A父「・・・お前一から話せ」
伯父「…俺も昔の事で忘れちょったけど…こっち来る途中見てしまった。」
T区からY区へ来る途中の峠道。
車を走らせトンネルにさしかかった頃、信号待ちで、ふと運転席側の窓を見たらしい。
窓の外には真っ暗で静まり返った霊園池が見える。道路から10m程の崖下…
何か見える。池のほとりにある小さな井戸の所。何かいる。
伯父は窓を開け目をこらして見たらしい。
そこには髪の長い女らしき何かが井戸から水を汲み上げては頭から水を被ってい
る。時折り「ギャッギャッグァー」などと言いながら笑い声をあげている。
キチガイのように水を被っては笑うの繰り返し。
伯父が怖くなって車を走らせようとした時、突然そいつが「みーつけた!」
伯父の方を向き笑いながら何か叫びだした。
…目と鼻や口の位置がグチャグチャ。
「£#&おまぁぇえ!…@*&ギャッー!*&××」何と言ってるか聞きとれな
い。ただ、「たん…じ××び!…×前」
と言う言葉だけかろうじて分かったらしい。
伯父は怖くなり急いで車を走らせA家に来た。
伯父「ただのキチガイかと思ったけど…あの事思い出した途端コワーなってな」
A父「…ただのキチガイやろ(笑)気のせいや」
伯父「そうやろか…」
この時はただのキチガイな奴で話を終わらせたらしい。
それから二週間後の12月3日午後8時頃A家に一本の電話がかかってきた。
Aと父はすぐに病院へ行った。
Aと父は少し待たされ伯父のいる病室へ通された。
医者によると原因不明の病気とかではないらしく、ただ…神経衰弱、一種の精神
病かもしれないとのこと。
病室に残されたA、A父。
A父「…お前、前、こいつが来た時、俺らの話し聞いとったやろうが…」
A「…え?…う、うん」
A父「…何も関係ない…」「いいか!もう忘れろ」
A「…」
少し気まずい空気が流れた…
すると突然…ガバっと伯父が起き上がりベットの上に立ち上がりだした。
A父「おっ!おう、○○調子どうや」
伯父は何も答えずベットの上に立ち二人を見下ろす。
この時Aは病室にいる伯父の顔を始めて見たのだが…誰だコイツと思ったらしい
。
それはAが知る伯父の顔じゃなく、何かこう目や鼻が変形しグチャグチャの顔だ
った。
「ギャッギャッギャッ」伯父が笑い出した
A「…」
伯父「ギャッギャッお前…ゆるさん…ギャッギャッた…じょ×び」
Aを指し伯父は言った。
伯父「…お前か!?*&@ギャッギャッ……はお・ま・え」
次はAからA父と順に指を指して行った。そして何故か誰もいないA父の隣を指
した瞬間「…うんうん…分かっとる」
伯父はそう言うとニッコリ笑いまた布団の中にもどり横になった。
この一連の行為は30分間隔で起きたらしい。
Aが怖くなって震えているとA父は「A、今の事誰にも言うなよ。」
…っとここでAによる怖い話しは終わった。
A「こんなかな俺の怖い話しは…あっ絶対ここにおるもんだけの秘密やけん(笑)」
俺「…ふざけんな…ヤバすぎるやろうが」
B「…っつか…昔の奴て誰なん?気になるし」
A「知らんでいいよ(笑)」
B「怖えけん話せや…」
A「無理やな・・・お前らには関係ないもん」
D「っつかお前よく、そんな話しすんなや」…「キショイけん止めれ」
A「はぁ?何が?(笑)」
俺「イヤ、気持ち悪いって・・・」
B「それって霊園池に関係しとん?」
するとそれまで無口だったCが小さな声で喋りだした。
C「・・・止めて」
俺らは好奇心からAを問い詰めてでも事の真相を知りたがったがそれ以上は聞
かなかった。ハッキリ言って全員、無茶苦茶びびってたからだ
夜の山というシチュエーション・・・何か怖かった。幽霊がどうとかって話じゃない。
何かイヤだった・・・
をつけた。その火の明りで一瞬、正面に座るAの顔が見えた。
Aは小屋の外に何かを見つけたようなハッとした顔をしていた。
俺「おいA!もう怖がらせんでいいて。止めろ」
「外、見てビビらせようとすんな」
A「う、うん。別に何も見えてねぇし(笑)」
見えてないって何だよ・・・
もう誰も喋らない。喋れない。時刻は午前2時を回る。
俺はAの話が恐すぎてずっと引きづっていた。ただでさえ小心者なのに・・・話しがリアる過ぎて怖かった。小屋にはもう居たくなかった。外にも出たくなかった。
もう帰りたい。俺は変なもん見ないようにと目を閉じて考えないようにしてた……
俺はいつの間にか眠っていた。
(パキ・・) (バキバキ・・)
変な音が聞こえる・・・
怖くて敏感になっていた俺はすぐに目が覚めた。
(バキ…)
外から聞こえる。木の枝が折れてるような音
背筋がゾクーっとした俺は横にいるBを起こした。
俺 「おいちゃ!起きれ!」
B 「…何よ?、もう」
俺 「おい!外からバキバキ聞こえるて。起きろ」
B 「もう…びびり過ぎ」B「何も聞こえんや…ん」
(バキ)
B「!? おい、・・・今何の音?」
B「ちょいヤバイて!今の何の音よ?」
俺「分からんけど、木が折れる音じゃね?」
D「…ちょい待て!お前ら喋んな!黙れ!」
バキバキ…
確かに音が聞こえる。静まりかえった山では、響くように…
俺の膝ガクガク。とりあえず一服して気を落ち着かせる。
その時、ある事に気づいてしまったが、あえて言わなかった。
何か怖くなったからだ。
B「ヤバイ!逃げるぞ」
D「ソッコー!逃げよ」
B「AとC起こして!」
D「え!?あっ?」
B「は?おらんやん! 何処行った!?」
そうAとCがいない事に気づいたんだ。
俺「…あいつらの仕業?」
D「何で!?何の為よ」
とりあえず俺らは外へ出て絶景スポットがある広い原っぱまで突っ走って逃げた。
俺「とりあえず、AとCどうするん?」
D「待っとこう」
俺らは一服しながら待った