俺「何処行ってたん!?」C「う、うん…小便」
C「小屋に戻ったら誰もおらんかったから…捜したわ」
B「おいC!Aは?」
C「一緒に小便してたよ」
D「っつかバキバキ聞こえたやろ?」
C「イヤ・・・聞いてない」
B「どんだけよお前。でAは?」
C「…」
B「?イヤ、Aは?って・・?」
C「・・・ん?」
D「は?Aじゃボケ!ふざけんな」
C「…知らん」
B「あ?意味分からんて、何処やAは?」
D「お前Aと小便しよったんやろうが」
C「…」
D「お前Aと小便しよったて言ったろうが」
C「…言ってない」
B「え?ウザイよ。オメー言ったろう?」
C「あ、あぁ…Aね、あいつは先に小屋に戻るって言ってたよ」
様子が変。何だCの意味不明な発言は?ともかく俺らは二人づつに別れてAを捜すハメになった。時刻は午前4時を回る。
俺「あのガキャ!マヂいらいらするわ!何処おるんや。気味悪りぃのに…」
C「…」
俺「っつかお前、何か知っとんかよ」
C「…知らんて」
俺「何?お前…喧嘩売っとん?」
俺「あっ!分かった!ドッキリやろ?」
「もう。ウゼー…ビビらせようとしとんやろ」
C「…ごめん」
C「あのさ…実はさ、俺さAと小便してないんよね」
俺「は?どういう事?」「ちょ止めてや…怖いし」「キレるよ?」
C「…ごめん、全部話すわ…」
Cは話しだした。
実は小屋の中で皆眠ってた時、Aが小屋の外に出て行くのを見たらしい。
Cは気になってAの後をついていった。
Aはボロボロの鳥居をくぐり、神社の前ですぐに止まった。
すると神社前でAは何か、誰かに話しかけるように手を合わせて喋っていたらしい。
ニヤニヤと笑いながら…次にAは神社の横にある木の枝を折りだした。
手頃な棒を捜すように…折っては捨て折っては捨て。
調度いい長さの棒きれになったのだろうか…
Aは折るのを止め、次にポケットから数枚の紙切れをだし、棒に貼付けていった。
Aが振り向き「?!」
Cに向かって走ってきた。Cは怖くて動けなかったらしい。
A「ぉぃ!おい!おい!見た?…(笑)」
C「…」
A「…お前俺が今日何であの話ししたか分かる?(笑)」
C「…何が?」
A「お前知っとろう?」
C「知らん…」
A「お前分かっとろう?」
C「・・・」
C「知らんて!!」
A「まぁいいわ。言うなよ(笑)」
A「あ、皆に俺の事ごまかしとけよ。
そうすりゃお前は見逃しちゃるけ」
C「俺は!?」
A「そう(笑)」そういうとAは山を降りて行ったらしい。
それを聞いて俺はゾクッとした。
ってかAは普段そんな事言う奴じゃないし、そもそも「知ってる?」て何をだよ。
Cに聞いても分からないの一点張り。Cは嘘ついてるんだろうか?でも、何故?
ハッキリ言ってバカバカしい話しだ。でもAは何処にもいない。
もう泣きたかった。
もちろんCを問い詰めたが、嘘をついてるようにも見えない。 確かにAの荷物もなかった。
明け方、とりあえず俺らは下山しその足でAの家へ向かった。
俺、B、Dはキレ気味。Cは若干震えていた。A家に着いたが誰もでない。自己中野郎は寝てんだろうと、キレ気味なまま俺らは家に帰った。
翌日、午前10時頃
俺ん家の電話が鳴った。Bからだ。
B「…ねぇどうしよう…」
俺「何が?」
B「イヤAのこと」
俺「あぁ…後でAんとこ行こうや」
B「イヤ違うんよ…お前ん家警察から電話あった?」
俺「何で警察なん?」「何なんよ?意味不明やん」
B「Aの事で…」
俺「だけんAがどしたんかちゃ!何よ?はよ言えや」
俺は吐き気がした。ってか何でAが死ぬ?意味が分からなかった。嘘か?
イヤ、嘘をつく必要がない?俺の頭は混乱していた。
その後、俺の家にも警察から電話があり俺らは事情聴取を受けたが
遺書も発見されたため自殺という事になった。
警察「一応遺書も見つかって自殺って事なんだが、原因とか知らんか」
俺「…原因って?…そんなん分からんです僕にも…」
警察「A君に何か変わったこととかなかった?」
俺「…分からんですょ…」俺「あ、遺書。遺書には何て書いてたんですか?」
警察「ん~遺書ね、そばに木の棒が落ちてて紙が貼付けてあったんだよな。」
俺「棒?」
警察「そう。おかしいんよな。その棒に遺書らしき札のような紙キレが貼付けられてた」
俺「……で紙には何て?」
警察「う~んこういうのは言えないんだよ」
そんなやり取りを終え俺は家に帰された。
これはDから聞いたので本当かどうかは分からないが、
その紙にはCの名前がぎっしりと書かれ最後の行は「駆除…皆ごめん」
で閉めくくられておりまた、Aの顔は変形しグチャグチャに歪んでいたらしい。
Cの名前だけ?違和感を持った俺らはCが何か知っているに違いないとCを問い詰め、
話を聞いた。
そして、俺たちはAとCだけが知る秘密を知ることに・・・。
Aは両親の離婚で引っ越してきたと俺らは聞かされていたが実は違っていた。
Aの母は亡くなっていたらしく、理由はよく分からないが、
霊園池のほとりにある桜の木で首を吊っていたとか。その第一発見者がAとCだった。
AとCは幼馴染で仲がよく、たまたま釣りに行った霊園池で見てしまった。
発狂したAの母親が首を吊る一連の行為を・・・。Cはあまりに突然の事で傍観するだけで、
隣にいたAは発狂したかのように突然笑い出し叫びだしたという。
それから数日後、Aは学校に来なくなり、Cもトラウマになっていたらしく、
Cは胸に抱える不安を取り除くように何故かもう一度、一人でその霊園池に行った。
その時見た光景・・・Aが一人、木に話しかけ狂ったように叫びだし笑っていたという。その光景が目に焼きついたCは軽い精神病にかかり、引きこもりになったが、Cの両親がその出来事を察知してか、Cは俺らの地区に引っ越してきたらしい。
そんな事件があった数カ月後、
俺らは中学を卒業し俺とBは隣町の高校へDはY区の高校へ通っていた。
Cは…もういない。
同年五月六日、自宅のマンションから飛び降りた。
原因は分からない。
これは決して幽霊がどうたらって話しじゃないんです。
そんなじゃないんです。
全て偶然。たまたま起った事です。偶然です。AもAの伯父もCも。
偶然です。
彼らの命日が誕生日である事も。