sage 2009/07/27(月) 01:15:51 ID:NTfTxL700
その話を聞いて今も視えるか聞いてみたら
C「ほら、あの並木のあたり見てみ?」と言ってCさんは向こうに見える並木道を指差した。
俺「講義や試験を終えた学生がぞろぞろ帰ってるのが見えるだけですが・・・」
C「じゃ、メガネ外してもう一回。歩いてる人の足元あたりに注目!」
俺「!!!!」
周りの風景や人はぼやけて見えるのに、辛うじて人の形に見える漆黒のタールのようなものの上半身が這うような姿勢のまま静止しているのがはっきり視える。
俺「Cさん。実家の神社で巫女さんとかもされてましたよね?お払いとか出来ないんですか?」
C「無理無理w 自分に変なのがまとわり憑かないようにすることで精一杯。実家継ぎ損なってなけりゃ出来たかもだけどw」
C「それにしても何したの? 普通に心霊スポットとか行ったぐらいじゃあんなの拾ってこないよ普通www」
俺「マジ笑い事じゃないですよ。神社で肝試ししただけですよ。俺ら。」
C「うーん」
何か含みのある様子で軽く唸ると、急にSさんが俺の手を引いて腕を絡めて
C「ま、こんなトコで立ち話もなんだし、ちょっと飲み屋にでも行こうか?奢ったげるからさ。」
このCさん。あんまり女性っぽく無いサバサバした性格だけど、見た目は、無造作に後ろで束ねた長い黒髪の和装が似合いそうな美人さんなもので、こんな話をしてる時なのにドキドキしてたのは内緒だ。
C「私とくっついてたらとりあえずは大丈夫。あと君は結構運がいいね。弟(長男の方)が実家の用事ついでに、
私のトコに寄る予定あるんだ。後、2時間くらいで着くはずだから安心して良いよ。」
そう言いながらグイグイ俺を引っ張っていく。結局、2人で個室のある飲み屋に入り先ほどの話の続きをすることに。
(前レスミスってるorz
SさんはCさんの間違いだ・・・)
sage 2009/07/27(月) 01:17:45 ID:NTfTxL700
飲み屋に腰を落ち着けて、事の経緯を説明し、いろいろ聞いた話をまとめると以下。
(聞いた時にわからなかった言葉とかは後でググッて補足しています。)
●Cさんではお払いが出来ないことについて
⇒普通、神職自体には、霊とかその他諸々を払う力は無い。祀ってる神様の力を借りないことには払えない。
そもそも神職は巫覡に端を発しているので、霊を成仏させたりする坊主とは違う。
神様の力を借りるには相応の舞台装置が必要。つまり神社の外では依り代とかがなければ大したことは出来ない。
●神社の境内は神域のはず、なんであんなのがいるのか?
⇒坊主の作る結界とは違い、神社は神を降ろすための舞台装置(神を降ろし易くすための場)にすぎない。
神域とは舞台装置である神社に神が降りることによって始めて力を発揮する。神職や管理者がいたり、キチンと定期的に祀られてる神社は、神域として正しく機能しているためおかしなものは寄り付かない。
逆にそうでない神社は何か寄せるための舞台装置だけがある状態。色々とおかしなものが集まってくるので危険。
ここまで話を聞いて疑問に思った事を聞いてみた。
俺「なんでEさん(長男)が来たら安心なんです?さっきの話だと神職自体に払う力はないんでしょ?
ましてやEさんて今まだ在学中で、正式な神職になって無いでしょ。
それともCさんと二人で力をあわせれば何とかなるってそういう話ですか?」
C「違う違う。確かに神職自体に払う力はないってのはEに関しても当てはまるんだけどね。
俺「それを聞いて気付いたんですけど、もしかして、地元の心霊スポットとかで肝試しした時に何もおこらなかったのって・・・」
C「そう、いつもEいたでしょww」
俺「でも、なんでEさんだけそんな特別扱いなんです?そもそも神様が1人だけを守ったりとかあるんです?
神社って全国各地にあって、しかも有名な神様だと分霊でしたっけ?とかされて同じ神様を祀ってる神社がいっぱいあるのに」
C「んー。ちょっと長くなるけど良い?」
sage 2009/07/27(月) 01:20:06 ID:NTfTxL700
Cさんより聞いた話(特定されない程度にぼかして記載している箇所があります。)
・彼女の実家の神社(A神社とする)は、全国に同じ名前の神社がある、つまり総本社の分社。
・ただ、彼女の一族は、元々は別の神社(B神社とする)を管理してきた一族。
・B神社は今もあるが、現在その直接的な管理は、B神社がある地域の町内会がおこなっており、彼女の実家は、それをサポートする立場。
・B神社は決して大きくは無いが延喜式神名帳にも記載されていたそれなりに歴史のある 式内社(少なくとも千年以上)
・B神社は、全国的に見ても少し特殊な神社。(主祭神と建築様式の2点において)
・ある神様を祀っているが、その神様を主祭神としている神社は、全国でB神社のみ。
・B神社は、平安時代以降のある時代に戦乱だか災害だかで一度消失し、近年に再建された歴史を持つ。
・一方彼女の一族がそうまでしてその神様への信仰を守ったのは、B神社のある地域一帯に物凄く強力な力を持った何か
(人間とって都合の悪い神様レベルのものなのかもとはCさんの推測)がいて、それを封じる役割をその神様が担っていたからとのこと。
長かったため、定期的に彼女の一族が封じるための儀式を行ってきたけれでも、それでは抑えきれず、封じてた何かの
悪影響が出るようになっていたからとのこと。
sage 2009/07/27(月) 01:22:50 ID:NTfTxL700
・再建後は、B神社は鎮守としてきちんと祀られ(収穫祭ではあるが秋祭りもある)、定期的にその神社で儀式を行っているため、その何かは封じられていると事。
以上のような経緯で、Eさんは神様の一部を常時降ろしているような状態で強力に守護されているため、
Eさんの周りはEさん自身の体を舞台装置(依巫)とした一種の神域のようなものになっているとのこと。
よってEさんにとっては俺に憑いている程度のものを払うのは大したことでは無いという訳だそう。
それを実感するエピソードとしては、Cさんが小学生の頃、弟が神降ろしの儀式を行った(
弟が次代に確定した)翌日から、今まで通っていた小学校で視えていたいろんなものが、
それ以降、全く見えなくなった事を挙げていた。
Cさんが中学生になった後、一年後に弟が中学校に通いだした時にも同じことが起こり確信したという。
そんな話をしているうちにEさんが飲み屋にやってきた。
Cさんから話を聞いた後だったが、1年ぶりにあったEさんは、俺には普通の今時のイケメン兄ちゃんに見えた。
E「久しぶり。姉さんから電話で聞いたけど、なるほど、ちょっと「障られて」るね。」
そう言うとEさんは俺の頭を軽くポンっと叩いて
E「よし。これで大丈夫。」
俺「へ!? もう終わりですか? もっとこう祝詞的なものとかは必要ないんですか?」
(寺生まれのTさんの『ハァー!!』みたいな気合的なものとかもなかった。本当に軽くポンと頭を触られただけ・・・)
E「ないないw これでOKだから」
C「うん。頭から伸びてた紐みたいなのがもう視えないから大丈夫。」
物凄く拍子抜けしたが、その後、3人で飲んだ後にうちに帰って寝たが、例の夢はもう見なかった。
(翌日、入院しているAとBについてもEさんに払ってもらった。)
AとBが怪我したものの最終的にみんな無事だったのでよかった。
得られた教訓としては無人の神社には近づくなって事。
支援頂いた方々、どうもありがとうございました。
sage 2009/07/28(火) 02:51:28 ID:f23JCiry0
>で、水溜まりから出て来たヘドロ人間は一体何だったんだ?
>動物の霊とかか?
Eさんにも聞いてみたんですが、人間霊や動物霊レベルのものではないのは確からしいのですが、
人に対する影響力がそれなりに強いものであるということ以外はよくわからないとのこと。
(Eさんのお父さんが視ていたら何かわかったかもとのこと)
> その神様を主祭神としている神社は、全国でB神社のみ。
>一体、何を封じているんだろう・・・
>B神社だけってことは、あまり耳にしない神様なのかな
>みえる人がEさんを見たら、どんな神々しいものがみえるんだろ
日本書紀にもその名が記されている神様ですが、一般的に知名度のない神様であるのは確かです
なお、全く祀られている神社が無いわけではなく、あくまで主祭神としている神社が無いだけで
摂社や末社として祀られていることはあります
自分は全く視えないのでわからないのですが
Eさん曰く
「神職見習いがこういう言い方をするのもアレだけどAngel's
Ladderって
いうんだっけ?雲間から一条の光が常に降り注いでいるみたいに視えるらしい
人によって見え方が違うのかもしれないけどね」
ちなみに、お祖母さんとお母さんを除くCさん一家(一族の直系)の人達は、
全員視える性質らしいんですが、お互いのことは何も視えないらしいです
視えない理由についてCさんは
「当代(父)と次代(Eさん)みたいに自分の周囲を神域化するほど強力じゃないけど、
一族の直系は、多少なりとも神様の守護を受けてるから、お互いに視えたとしら
眩しくて仕方がないからじゃないの?」
と朗らかに笑ってました